遙の日記・独り言

2007年

2006年

2005年

2004年

2003年

2002年

2001年



4月その1



ハイヒールモモコと宝塚観劇だ。
午後の公演だった。
モモコは開演5分前に駆け込んできた。
「あのな、朝は娘の同級生のママたちとモーニング食べて喋っててん。昼は息子の同級生のママたちとランチしててん。そしてな、夜は洋子ちゃんとフレンチやねん」

モモコは息をはずませて嬉々と報告した。
私にはそれが、ぎりぎりまで外で遊んできたことを懸命に報告する小学生の娘の姿に映った。
  


 

4月その2



モモコとセリーヌデュオンのライブを見た。
ドーム会場のアリーナ席だった。
周りは興奮の渦でどよめいていた。
モモコを見ると、横に座る女性の食べるスイートポテトを眺めていた。
「洋子ちゃん、アレおいしそうやなぁ」とつぶやいた。
そしてライブが始まった。
モモコを見ると、「ひとつ、ふたつ」と思案顔でなにやら指折り数えている。
・・・次の食事会の参加人数だろうか。
・・・子供たちへのプレゼントの数だろうか。
それとも・・・。

私はセリーヌデュオンとモモコを交互に鑑賞して楽しんだ。
  


 

4月その3



モモコが和食の店を予約するのに苦戦していた。
私がかわりにその店に予約してあげた。
すると、当日モモコから連絡が来た。
「フレンチやん!」
「うっそー!」

手違いが続くと、和食店を予約したつもりが、何故か、行ってみるとフレンチレストランになることもあるのだと驚愕した。
北海道旅行を予約して、行ってみると沖縄だった、というくらいの違いだ。
申し訳なく可哀想で仕方がなかった。
  


 

4月その4



和食がフレンチになった顛末を「日経ビジネスオンライン」のコラムに書いた。
それをモモコに見せた。
モモコは「見て!見て!」と私の原稿を持って、局内を走りまわった。
いろんな人に見せ、メイク室では大声で皆に読んで聞かせた。

「洋子ちゃんの原稿!」

そう言って走りまわるモモコを楽しく嬉しく鑑賞した。
  


 

3月その1



「洋子ちゃん」
その声で振り返った。
人に声をかけるときは、マスクとサングラスをはずしてほしい。
鼻だけで、誰かを見分けなきゃいけない。
その知人は、鼻を整形していたので、鼻を見て分かった。
「あ。〇△さん」
「久しぶり」
・・・名前を言えてホッとした。
  


 

3月その2



「食と健康」をテーマの講演をした。
なにを食べてこんなに健康なのか。ついでに美しいのか・・・。
そんなことを喋った。
でも、理由はひとつだと思っている。

独身だから。

それ以上のそれ以外の理由が思いつかない。
すると、会場は手遅れの人たちばかりとなってしまう。
真実はなかなか喋れるもんでない。
  


 

3月その3



久しぶりに写真を撮った。
いつまでも同じ写真を使っていたが、広告に偽りあり、になっても困る。
500枚も撮った。
いいかげん、いい女風に写ろうと思うのだが、どうしても、松田聖子のデビュー当時のような笑顔を作ってしまう。
500パターンの松田聖子風笑顔を見て、ため息ついた。
  


 

3月その4



タクシーに乗った。
「僕の家、この近所やねん」と運転手のおっちゃんが、話しかけてきた。
もし、私がオッサンだったら、と思う。
そしたら、おっちゃんは声をかけてきただろうか。

「あ、そ」
それでも話しかけてきた。
「君、〇〇さんに似てるって言われない?」
「いわれない」
絶対思う。
私がオッサンなら、おっちゃんはそんな話はしない。
  


 

2月その1



最近は新幹線普通車が好きだ。
3人席の真ん中の席だって、食事もするし、化粧もするし、新聞だって読む。
皆、静かにじっと自分の枠からはみ出ないように息をひそめ、それぞれに時を過ごす。
その配慮のし合いが好きだ。

グリーン車に乗った。
いきなり靴を脱いで靴下の先が5つに分かれている足を通路に放り投げる男性がいた。
その斜め前で私は食事をするのをやめた。
突然、後ろの席でラジオが大きなボリュームで鳴り出した。
いつまでも切らない乗客。
前の席では派手な音で携帯電話もずっと鳴りっぱなし。

金を持っているということは、不遜で傲慢で厚顔になりがちだ。
普通車とグリーン車の違いは金を持っているかどうかではない。
配慮をするか、横暴になるかの違いだ。

友人にそれを言うと、「普通車でまだ嫌な思いをしてないだけじゃ」と喝破された。
そうかな・・・。
  


 

2月その2



京都で伝統ある著名な料亭に行った。
高級京懐石のコース。
あまりにまずく、口で噛んでいるものを口から出すほどまずい。
兄嫁も口から出した。
メタミドボスが入っているのかと思った。

ほとんど手をつけない皿を、2皿も残した。
「もう引いてください」
「そうですか」
店員は理由も聞かず、皿を引き上げた。

吉兆の事件といい、この〇△□といい、関西の料亭は壊れている。
美味いもんは東京にある。
  


 

2月その3



東京で、ゆっくりじっくり語りたい食事会があった。
焼肉を予約した。
「2時間15分でご退席ください」と言われた。
イタリアンに予約した。
「2時間半でご退席ください」と言われた。
中華に電話した。
「2時間でご退席ください」と言われた。
仕方がないから、6時からイタリアン。8時から中華を予約した。
2件をはしごし、それぞれフルコースで食べた。

東京はどないなっとんねん。
  


 

2月その4



誕生日だ。
高級中華で女友達が祝ってくれた。
レストランのオーナーが挨拶に来た。
「すばらしい女性たち」を連呼した。
「じゃ、なんかください」と友達が言った。
「じゃ、まごころを一杯」と言い、オーナーが微笑んで去った。
「まごころやて。最も金のかからんもん言ったよ」と友達が鼻白んだ。

まごころも愛も美辞麗句もいらない。
一杯の杏仁豆腐のほうがよっぽど嬉しい。
そんな女なんじゃ、ワシらは。   


 

1月その1



あけましておめでとうございます。
今年は本気でいいことが私の身の上に起こりますように。

愛犬のセキが止まらない。
「セキが止まらないの!」と獣医に訴えた。
「腎臓病です」と薬もらった。
「だから、セキが止まらないの」と再度行った。
「心臓病です」と診断された。
・・・・、いや、セキを止めたいんだってば、他の病気は探さなくていいんだってば、と、新年早々に声を荒げた。

今年一年が思いやられる・・・。
  


 

1月その2



ホテルで新年会があった。
「駐車サービス券ください」というと、「ここでは出せません。フロントに行ってください」とクロークが言った。
フロントで「駐車券ください」というと、「ここでは出せません。主催者に言ってください」と言った。
「もうけっこう!」と声を荒げた。

1日1回怒ってる。今年どうなるんだ・・・いったい。
  


 

1月その3



文豪が愛用したホテルに泊まった。
文豪が愛した朝食とやらを注文した。
ワクワクして待った。
ごはんと、味噌汁と、お惣菜だった。
・・・・旅館に泊まったオヤジが朝食でご機嫌に何杯もおかわりする、あの朝食だった。
文豪が愛した朝食とは、実は、大勢のオヤジが愛する朝食だった。
私は朝はやはりクロワッサンとカフェオーレがいいと、うなだれて山盛りのご飯を見た。
  


 

1月その4



銀座の1万円のしゃぶしゃぶ食べた。すぐ「ラストオーダーです」と言われ、せかされるようで味わえなかった。
友人とゆっくり喋ろうと朝までやってるカフェに行った。
「今日だけ、12時までなんです」と追い出されるようにお茶飲んだ。
深夜、新橋のバー行った。
アルマーニのコートに、満タンのカシスカクテルをドポッとこぼした。
みるみるコートが紫色に染まった。

結論。今年もやっぱ、ついてそうにない。