遙の日記・独り言

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12月その1



神奈川で講演だ。まず、バスに乗り遅れた。
次に、目の前でJRが出てしまった。
そして、乗らなきゃいけない新幹線を目前で見送った。
遅れたせいで、神奈川ではタクシーではなく、電車での移動になった。
・・・3回乗り換えた。
着いたときには、髪も服もぐちゃぐちゃだった。

人生って、ついてないときには、とことんついていない。
  


 

12月その2



ジャズライブに行った。
ゆるやかに流れる空気を、酒と音楽と雑談で彩る。
なんか、どっか、自分がその空気に浮いているのを感じる。
私は計画通りに一日を過ごすタイプだ。
酒は飲まない。
ジョギングしてストレッチして読書して・・・。
健康的すぎると、ジャズには合わないんだと知った。
  


 

12月その3



仕事先のスタッフと、なぜか待ち合わせの場所で出会えなかった。
私はこういうのは、本当に苦手だ。
イライラするのが嫌いなのだ。
「どこ!?いないじゃない!」と何度も電話した。

やがて現れたスタッフは、髪が乱れシャツは冬だというのに汗でびっしょり濡れ、肩で息をしていた。
私はそのスタッフが、急に愛おしくなった。
  


 

12月その4



河内屋菊水丸さんのラジオ番組に出演させてもらった。
本番前、菊水丸さんはにこやかに穏やかに「遙さん、よろしく」と言った。
そして、にこやかに穏やかに本番が進んだ。
やがて、にこやかに穏やかに彼に見送られた。

後日、焼肉屋で菊水丸さんと会った。
私は30分遅刻した。
でも菊水丸さんは、にこやかに穏やかに私を迎えた。

私は、弟子にしてもらいたい、と、本気で思った。
  


 

11月その1



お墓参りに行った。
お墓って、いつ行っても花が枯れ、その周りが汚れている。
手だけを合わせて、と思っても、いつもその汚れたままでは立ち去りにくい。
だから、とりあえず車に入っている洗車道具で墓を洗っている。
いつの間にか、洗車道具は墓専用になった。
車を拭くぞうきんも、墓拭きのぞうきんになった。
出張掃除屋みたいになった。
  


 

11月その2



宅配はいつも私が寝ている時にキンコンと来る。
慌てて起き、寝癖を水で直し、シャキッとして玄関に出る。
でも、いつも宅配屋さんが立ち去る時に
「すみません。寝ていらっしゃるところ」と謝られる。
彼らはいつも私の何を見て、さっきまで寝てたと気づくのだろう。
不思議だ。っていうか、情けない。
  


 

11月その3



いつも怒らないでおこうと思う。
でもつい、カッと来ることがある。
うどん屋で「天ぷらうどんください」と店員に言った。
すると店員が、「うどんと蕎麦がありますが、どちらでしょう」と聞いた。
「そやから、天ぷらうどん」
「はい。うどんのほうですね」
「天ぷらうどんです(怒)」
・・・机をひっくり返しそうになった。
  


 

11月その4



新幹線で、日ごろお世話になっている仕事関係者に挨拶された。
「気づきませんで」と恐縮した。
「太巻き寿司食べてましたね」と言われた。
「はい。見られてたんですね」と笑った。
「ハシではなく、手で食べてましたね」
「はい(笑)」
「太巻き、一本全部食べましたね」
「はい・・・止まらなくなりました」
東京駅で買った、巨大な太巻きを全部食べるところを見られたショックで、うなだれて帰った。
  


 

10月その1



書き下ろし原稿を書き上げた。
傑作だとワクワクしながら書いた。
モーツァルトの気分が少し分かったような気がした。
頭からあふれ出てくる抽象的なものを、とにかく吐き出さないと、いてもたってもいられない感じ。
ただ、モーツァルトとの決定的な違いは、
そうやって完成した作品の、出来だ。
あとちょっとでモーツァルトなんだけどなぁ、
と、いつも自分だけが思っている。
  


 

10月その2



野菜を食べれない人と、肉が食べれない人と、酒が飲めない人と、酒ばっかり飲む人と、食事した。
ちなみに私は好き嫌いはいっさいない。
食事中、やっぱりこれはあかんわ、と思った。
食べるスピードから頼むものまで、すべてに共通点がない。
結局、個々に自分のほしいものだけを自分のペースで食べることになった。
家で食べてるのと一緒やん、と思った。
  


 

10月その3



ジョギングでよくない癖がついた。
帰りに必ずお菓子を買ってしまう。
持っているお金のぶんだけすべて使ってしまう。
でも家にお菓子が山ほどあると満たされた気分になる。
キャラメルコーンがあれば、ご機嫌で一日を終われる。
高校時代となにも変らない日々・・・。
  


 

10月その4



ジョギング帰りに野菜を買った。
私は計算が苦手だ。
1000円分買ったと思ったのに、レジで1000円をあっさりと超えた。
その瞬間「ストップ!」と叫んだ。
「お金がない。何か減らす」と千円札見せた。
レジのおばちゃんと、うんうん唸りながら、相談の結果トマトを却下することにした。
後ろ髪を引かれる思いで、スーパーから出た。
でも2000円持って出たら、2000円また全部使ってしまうのだ。
・・・悪い癖がついた。
 


 

9月その1



占いに行った。そこで、「奇病・難病・訴訟・怨恨・怪奇現象に見舞われる星まわり」と言われた。
確かに人生の節々に思い当たることがある。
誰か、占いに行って、元気をもらう人っているのだろうか・・・。
 


  

9月その2



東京のモデル事務所のモデルたちとパーティした。ファッション雑誌を飾るモデルたちだ。
皆、若い、細い、背が高い、手足が長い!
その中の一人のモデルが言った。
「オナラしたい」
美人って得だと思った。オナラと言ってもかわいい・・・。
うらやましかった。
 


  

9月その3



横浜での講演を聴きに行った。
初めての駅でどっちに行けばホールがあるのか途方に暮れていた。
知らない女性が私に声をかけてきた。
「あなたは遙洋子さんですね。今日は講演にいらしたのでしょ。会場はあっちですよ」
見ず知らずの人にどうしてこうも見透かされているのか・・・。
本当に不思議なことが多い。
 


  

9月その4



絶食ダイエットをした。
1日目で挫折した。
野菜食ダイエットをした。
1週間で3キロ痩せた。
2回外食した。
1キロ太った。
・・・こんな人生、嫌だ。
 


 

8月その1


ミュージカルを見た。
つまらなかった。
休憩時間にロビーで友人と「つまらんなぁ」とコーヒーをズルズル飲んだ。
一人で観に来ている女性が、ロビーで立ったままサンドイッチをほうばっていた。
その食べ方が「つまらんなぁ」と言っていた。
 
帰りにフレンチを食べた。
むっちゃおいしく興奮した。
それですべての不満は解決した。
 
一人でロビーでサンドイッチで済ませた女性が可哀想になった。
彼女は、つまらんまま、一日が終わっただろうな。
 


 

8月その2


ドラリオンを見に行った。
受付で、「お連れは?」と聞かれ、「ひとりです」と答えた。
関西では、友達は皆結婚していた。
隣のブロックにモモコが来ていた。
子供や子供の友達、その親、そしてベビーシッターさんの姿も見えた。
一列全部、モモコだった。
ドラリオンを観るまえに、その一列に感動した。
 


 

8月その3


大阪のホテルで、仕事の打ち合わせがあった。
ちょうど土曜の夜ということで、静かなロビーラウンジは、ライブハウスと化していた。
耳をつんざく大音量で、会話などできなかった。
席を立ち、「やかましい」と叫んだ。
カウンターに行き、ホテルマンに「やかましい」と訴えた。
飲み物を持ってきたウェイターに「やかましい」と言った。
ホテルではよく泣かされる。
 


 

8月その4


東京で友人と会う約束をした。
銀座の料理屋にしようか、赤坂の焼肉にしようか、ワクワクして新幹線に乗った。
 
友人のいるホテルに行くと、「いっぱい喋りたいから、部屋でルームサービスとろう」と提案した。
銀座と赤坂の夢は、音を立てて壊れていった。
結局、カレー食べた。
…トボトボと自分のホテルに帰った。
 


 

7月その1


暑いが、クーラーをかけて寝ると風邪を引くので、つけずに寝た。
暑すぎて、悪夢で目が覚めた。
翌日、リビングのクーラーだけをつけて、ドアを開け、寝室で寝た。
寒くて目が覚め布団をかぶり、今度は布団が暑くて目が覚め、布団をはずした。
翌日、もうひとつ遠い部屋のクーラーをかけて、寝室で寝た。
暑すぎてまた悪夢で目がさめた。あわてて寝室のクーラーを入れて寝た。
風邪引いた…。
"適温"なんて、この世にはない。
 


 

7月その2


新大阪で、ジャケットをどうも落としたことに新幹線の中で気づいた。
大阪も情がなくなったものだ。
昔なら大阪のおばちゃんが「あんた、落としたで」と教えてくれたもんだ。
チッと思いながら、歯をくいしばって東京まで冷房に耐えた。
そんな日に限って、キャミソールだけで、背中も肩も丸出しだった。
自分の両手で自分の両肩を抱きしめて、暖をとった。
東京につく頃、頭がキーンと痛かった。歯をくいしばりすぎたせいだ。
 
落し物係りに問い合わせしたが、ジャケットは届いてないそうだ。
大阪も、情がなくなったもんだ…。
 


 

7月その3


ユーミンのステージを見に行った。
シンクロナイズドスイミングのデデューが出る度に、「あ!デデューだ」と騒いだ。
カーテンコールも「デデューまだかな」とワクワクした。
…私がユーミンなら、怒るね、と思った。
帰りに寄った横浜の中華街の料理は抜群だった。
「ええやん。中華料理」と騒いだ。
やっぱり、私がユーミンなら怒るね。
 


 

7月その4


久しぶりに小劇団の演劇を見た。
芝居はつまらなかったが、友人が一生懸命舞台をやっている姿だけは応援した。
カーテンが閉まると、ハァーと息が出た。
一緒に観劇した友人が言った。
「洋子ちゃんが舞台するときも、こんな気分で観ててんで…」
二人顔を見合わせて、ハァーと息を吐いた。
 


 

6月その1


超高級老舗ホテルに泊まった。
すごい高いから、パジャマがあるだろうと思うと、浴衣だった。
「パジャマは?」とフロントに聞くと、「ありません」と答えた。
大規模ホテルだから、フロントから部屋までが腹が立つほど遠かった。
そのくせ、部屋は普通だった。
 
ホテルでこれほど意気消沈したことはない。
もう2度と超高級ホテルには泊まらない。
 


 

6月その2


一泊1万円のビジネスホテルに泊まった。
カプセルホテルかというほど小さかった。
ベッドしか入っていない部屋だった。
ベッドに寝て、ベッドでお茶を飲み、ベッドに座って着替え、ベッドで化粧した。
これはこれで、ウキウキした。
 


 

6月その3


一泊2万円のホテルに泊まった。
ホテルというよりマンションみたいでキッチンもあり、ワクワクした。
大きなソファーもあり、ご機嫌だ。
こういう部屋と出会いたかったんだ。
住まいは男選びと似ている。
お金じゃない。安けりゃいいってもんでもない。どれほど幸せを感じられるかだ。
 


 

6月その4


駅のドトールコーヒーで、180円をばら撒くように落とした。
「落としちゃった。全部!」と、わめいた。
後ろに並ぶビジネスマンたちが拾ってくれた。
「足らない。ぜんぜん!」とまだわめいた。
「うそ」と、またビジネスマンは地面を探してくれた。
こんなとき、女でよかったと思う。
 


 

5月その1


ウィーン版『エリザベート』を観劇した。
主演のエリザベートは、けっこう年配の女性だった。
以前、NYで『オペラ座の怪人』観たときも、クリスティーヌだけ年配だった。
「外国では、主演女優は年配なのですね」と関係者に聞いた。
「いいえ、20年間演じてますから、始めたときは若かったですよ」と言われた。
ガッテン・ガッテンと、テーブルを叩いた。
 


 

5月その2


劇団四季の『コンタクト』をバレエ仲間と見た。
あこがれの、"全身筋肉"にしびれた。
「どうすれば、身体が締まるのだろう」と隣のレストランでオムライス食べながら、バレリーナの友達に聞いた。
友達は言いにくそうに「私、食べても太らないんです」と答え、オムライスを口に運んだ。
うらやまぴー、と言いながら、オムライスをほうばった。
満腹になって、首をうなだれて帰った。
 


 

5月その3


劇団四季の『オペラ座の怪人』を観た。
初日直前のマスコミ披露だった。
絶対、とっても偉そうな方たちが客席中央にずらっと並んでいた。
偉そうなお一人の年配男性が私の座席横を通りがてら、私に声をかけた。
「四季と、宝塚と、どちらのファントムがいいですか?」
突然の質問なので、アップアップしながら答えた。
「ど・・・どちらも素敵です」
「そう。僕は宝塚の人間です」
・・・冷や汗をかいた。
こういう、期末試験みたいなことはやめてほしい。
もし答えをしくじっていたらと思うだけで、生唾を飲んだ。
 


 

5月その4


九州に行った。
少子化問題ディベートの仕事だった。
九州のおじさんは、「なんのためにオッパイついてるんだ」と子供を産まない女性を責める。
「じゃ、なんのためにチンチンついてるんだよっ」とは放送上言えなかった。
「セックスはなんのためにあると思ってるんだ」とおじさんが言った。
「じゃ、なんでこの街は風俗だらけなんだよっ」とは、放送上慎んだ。
好感度を意識している限り、討論で勝てそうにない。
 


 

4月その1


春だ。
整理整頓しようと物置を見た。
10年前に必要だと判断して取っておいたものが、10年後だとガラクタに見えた。
10年前に、死ぬほど好きだと思った恋人が、10年後にガラクタに見えたのとダブった。
もし・・・したら、と思って物を置いておくことをやめた。
結婚願望なんてとっくの昔に消えたはずが、5客の食器とかがまだあった。
物が「もし結婚したら」とつぶやく。
全部エイヤッと捨てた。
 


 

4月その2


日記を見た。
中学生から時折書いていたからけっこうな量になっていた。
捨てる前に、後悔しないように読んでおこうと思った。
・・・・実に、くだらなかった。
高校生のときの放課後の不満とか、友達に貸したお金とか。
過去は本当にくだらん。
全部エイヤッと捨てた。
 


 

4月その3


ファイルを見た。
ドッジボールみたく、一冊のファイルが膨らんでいる。
阪神タイガースの優勝記事までファイルしていた。
友達に相談すると、「将来、遙洋子記念館に展示したいものだけ取っとけば?」と助言された。
切り抜きの一枚一枚を「展示、展示」とつぶやきながら判断した。
・・・ダンボール4箱ぶんのファイルが、たったの2冊になった。
展示には、足らなくなった。
 


 

4月その4


アルバムを見た。
膨大にある写真の整理なんかできそうにもなかった。
途端に作業がテキトーになった。
写真の束をつかみ、数枚だけテキトーに残すことをくり返した。
透明のゴミ袋が、私の顔で一杯に膨れ上がった。
ニコニコ笑うたくさんの私がゴミ箱に行った。
 
友達に壮大な整理整頓を自慢した。
「死に支度か?」と言われた。
 


 

3月その1



ハワイでロケだ。
仕事のきつさがたたって風邪気味になった。
久しぶりに会うタレントの友達が「私風邪で、昨日注射打ってきてん」とマスクの奥から言う。
ハワイで合流したタレントは「昨日まで高熱で寝込んでた」と言い、すごい鼻声になっていた。
・・・全員が風邪のハワイロケになった。
本番だけ「わーい!」と元気だった。
 


 

3月その2



撮影・買い物・お茶の日々。
足が棒になり、頭も朦朧としながら、それでも免税店やらアフタヌーンティーとかした。
友達はエルメスやらヴィトンやら買いまくった。
もう頭のどこかの回路が切断し、金銭感覚も消えうせ、地球最後の日のような買い方だった。
そんな中で比較的冷静な私は友達に言われた。
「友達の証で、おそろいのヴィトン買おう」
・・・買ってしまった。
私もどこかゆるんできている。
 


 

3月その3



全身ブランドになると、友達が私のウェストポーチに文句をつけた。
「そこだけ貧乏やわ」
確かに・・・そのウェストポーチは1500円だった。
「浜辺で捨て」と友達が言った。
「浜辺で燃やし」と別の友達が言った。
「そして、これ買い」とまたヴィトンを勧められた。
・・・皆絶対おかしくなっている。
 


 

3月その4



実際熱にうなされたのは、ハワイから戻ってから後だった。
原因は風邪かハワイかわからなかった。
翌日は宝塚の貸切公演の司会だ。
満席のお客様が楽しみにしている公演だ。
 
なんとか終えた。
トップスターが大きな背中の羽をはずして舞台から戻るのを、舞台袖で待った。
全身から「ほーっ」と力が抜け、乱れた髪を掻きあげる姿を照明を落とした空間で見た。
皆、体力ぎりぎりのところで頑張っているんだなと思った。
 


 

2月その1



冬は自分も含めて、誕生日が続く。
今日はお友達の誕生日。
美顔スチーム買った。
吸引機も買った。
財布も買った。
どれあげていいか分からなくなった。
「どれほしい?」と聞く夢のないプレゼントになった。
 


 

2月その2



今日は私の誕生日。
友達がプレゼントをくれた。
「どれあげていいか分からなくなって、全部持ってきた」と言った。
この日のプレゼント。
バッグ3個。アクセサリー2個。置物2個。スカーフ1枚。文具一個。服一枚。化粧品1ケース。
ほんの数人の、ささやかなパーティだけど、プレゼントだけは10人分だ!
 


 
 

2月その3



『朝まで生テレビ』が入った。
その翌日は必ずといっていいほど、地方の講演会がある。
本番終了後東京駅の始発から、那智勝浦まで約7時間の移動だった。
そこから4時間かけてまた大阪に戻った。
「ああ自分は健康だ」と思うときは、こんなときだ。
無茶苦茶に体を酷使しても、体はついてきてくれる。
 
帰って一息いれた。
「やっぱり1人がいい」と思う時はこんなときだ。
外でどれほど大変でも、家は平安と静寂をくれる。
 


 
 

2月その4



市民講座の仕事だった。
駐車場の入り方が分からなかった。
「こっちですわ」と男性が丁寧に案内して係員まで呼んでくれた。
「僕、ここの人間と違いますけどね」と言いながら。
 
楽屋の入口が分からなかった。
「楽屋はこっちです」と女性が案内してくれた。
「私、ここの関係者と違うんですけどね」と言いつつ。
 
大阪が好きだと思うのはこんな時だ。
誰もがどこかで優しくおせっかいだ。
 


 
 

1月その1



イタリアに行った。
団体旅行にひとりで参加した。
参加者に「遙洋子に似てますね」と言われ、迷った。
「本人です」というと、「ヒィ…」と引かれて驚いた。
こっちから一生懸命話しかけることにした。
 
旅行で再確認したこと。
やっぱアルマーニが好きだ。
 


 

1月その2



フィレンツェのアルマーニと、ローマのアルマーニと、ベニスのアルマーニに行った。
「素敵」と、「高っ!」の間をさまよって買えなかった。
店員に肩をたたかれて「閉店です」と言われた。
・・・閉店までずっとアルマーニにいた。
 
旅行で再認識したこと。
やっぱ1人が好きだ。
 


 

1月その3



もうそろそろ宮殿も教会も飽きた。
中世の石畳も飽きた。
ジョギングしようと思った。
凸凹の石畳では不可能なことが走ってすぐ分かった。
 
旅行でしみじみ思ったこと。
私はあまり観光に興味はない。
 


 

1月その4



京都で友達と食事。
イタリアに飽きたので、行きつけの和カフェで食事にした。
もうしばらくはイタリアはけっこうだ。十分だ。満喫しきった。
日本的なるものに渇望したので京都にした。
久しぶりに行くと店の風情がなにやら変わっていた。
・・・イタリア料理店に変わっていた。
「病気か?」と聞かれるほど箸が進まない食事になった。